「"退職代行"を使うと会社側はこう動く」という話をします
昨今、退職代行が流行っているようですね。実は私の会社でも、1件だけ退職代行による離職者が出ました。私が人事部の人間なので、まさに退職代行の流れの渦中にいることに・・。
退職代行を考えておられる方もいるかと思いますが、実際に使おうと思うと会社側にどんな対応が行くのかが気になるかと思います。
そのため、本記事を通して「"退職代行"を行うと会社側はこういう動きをする」という話をまとめてみました。
- 退職代行を使いたいけど会社側はどう動いてくるのか気になる
- 使うことで得られるメリット・デメリットがあるなら教えて欲しい
退職代行にまつわる、利用者側・利用された側の視点で見ていきますね。
【退職代行サービスとは?】会社側にいる私が見た流れ
「退職代行」とは、弁護士によって行使される退職の交渉代行サービス
退職代行について知らない方もいるかと思うので、一言で紹介してみました。そのままですが、退職の希望を弁護士によって代行してもらうサービスです。
離職希望を伝えても、なかなか会社が辞めさせてくれないといった場合に使えるサービスとして有名になりました。
事業部の男性(28)の代理弁護士から退職通知が届いた
ことの発端は、うちの会社の事業部のAさん(男性28歳)が退職を希望しているという通知から始まりました。人事部に直通で、内容証明郵便での退職通知が届きます。
会社で見たものなので守秘義務もあるため、アバウトな言い方になりますが「事業部のAさんが、退職を希望している」という内容。色々と書かれてあったのですが、軸となるのは退職の意思表示。
なんでこんな事になっているのか。正直なところ、最初に読んだときは頭に「?」が浮かびました。まあそうですよね。私の会社はブラック企業ではないので、こうなるとは夢にも思わなかったので。
そのため、Aさんの所属する事業部にヒアリングに向かいました。「そちらのAさんについて何かありましたか?退職代行とのことで、弁護士さんから連絡が来てますよ」という具合に。
退職代行の原因は、事業部のBさん
事業部でAさんの上司であるBさんに話を聞いたところ、すぐに退職代行を使われた理由がわかりました。どうもBさんは、Aさんから申し受けた退職の意向を、無視していたんですね。これは上にあげてもらわないと会社としても困る話です。
それはやってはダメですと伝えたところ、Bさんも全てを話してくれました。
ちょうど今年の夏、人手不足になった時期があった。しかし現場を回すため、Bさんも上司として評価を落としたくなかったので、ひと月だけ部下に頼んで残業を毎日頑張ってもらった。
しかし、ひと月限定とは言えタイムカードを切らせ働かせるということをやってしまっていた。←これがマズイです(汗)いわゆるBさんが勝手に会社に忖度して、残業をさせてしまったわけですね。
またAさんは気弱な面があり、有給取得を言い出せる関係が構築できていなかったりしたのも大きな要因でした。残業記録をAさんは付けているし、「残業代も支払って欲しい」という要望もあったので。
いくらBさんの都合とは言え、会社に所属している身分。勝手なことは、会社としても困るのです。
そのため、社長にすぐに伝えたところ、支払いも退職もすぐに手続きするように言われました。Aさんにも連絡しましたが、彼も上司不信に陥っており代行サービスを通してしか伝えられず残念です。私もAさんの気持ちはわかりますからね。
届いた郵便内容と会社側の動きについて
届いた郵便に書かれてあったことも含めて、会社側のヒアリングを終えてから、代行業者を通して電話をしています。
- 有給消化
- 未払い残業代
- 引き継ぎに関する方法
これらを話し合った結果、こちらも離職票の発行や、社会保険資格喪失届などを進めました。メンタル不調も起こしていたので、Aさんの出社はすでに難しくなっていたんですけどね。
未消化だった有給や、未払いだった残業代は支払いに至っています。私は人事部の仕事として、弁護士さんと会社(事業部)の間を取り持った形。
引き継ぎに関してはメールになりました。離職日まで有給消化してもらいつつ、その期間にメールで引き継ぎだけお願いしています。
有給が言い出せなかった性格のようで、ほとんど使っていなかったのは、気の毒な気持ちにもなりました。Aさんの場合、有給とサビ残代金の未払いが確定して30万円くらいになりました。代行を使ってもお釣りが出た計算かと。
人事部が見た退職代行が評判になる理由
人事部として退職代行を見た感想ですが、「そりゃ人気のサービスにもなるな」というのが率直な感想。私も人事部で会社側にいつつも、何かあれば頼りたくなったのも事実。
どういう部分で評判になるのか考えたところ3つの理由が想像できます。
第三者が入るのでスムーズに話が進む
まずはこれでしょう。弁護士が間に入ることで、話し合いに進展しなかった上司と部下のトラブルがすんなり解決していますからね。しかも、Aさん本人はほぼ出る必要もないわけです。
ブラック企業で言い出しにくいとか、辞めると言ったら怒鳴られる恐れがあるとか。こういうトラブルを嫌う方は、第三者を介してスムーズにしたい気持ちもよくわかります。
引き継ぎが必要な仕事でも、メールや電話という手段で、間に入ってくれるならストレスがぐっと減る気楽さも売りなのでしょう。
有給や残業代などの支払いに強い命令が出せる
「お金の話」は今回、Aさんが退職代行に踏み切った理由にあると思うんですね。辞めたいだけなら、強引にでも行使できるけど、有給消化しつつサビ残代金も欲しいとなると・・話し合いは必要不可欠。
社長にも弁護士のついた代行サービスを通した話になることを伝えたら、「Bさんの責任感は分かるけど、うちはトラブルの無い会社作りを目指しているんだけどなぁ・・」と即応じていました。
退職代行サービスの費用も、おおよそ3万円くらいするみたいです。支払い命令の効力が強くなれば、サービスを使ったことでお金も戻ってきて結果プラスになることも多いのでしょう。
退職代行のデメリットもある
逆にデメリットもあると感じたので触れておきます。
弁護士が関与しない業者も存在している
通知が来た時、「本当に弁護士がやっていることなのか」という点は、確認させていただきました。さすがに弁護士と無関係な人とやり取りすると、逆に会社が脅されるかも知れませんので。
実際に調べると、全く弁護士が携わっていないサービスもあるそうです。弁護士監修や、弁護士の代行といった「弁護士」の表記がないサービスは、逆に怪しいかもしれませんね。
相場は3万円と決して安いとは思えない
また相場的には3万円と、利用するのが決して安いとは思えませんでした。例えば、今回のケースだとAさんも上司Bさんに伝わらないなら、人事部に訴えてくれたら話はまとまっていたはずなので。
「小さな会社なので、社長に話すしかなくそれでも辞められない」とか、「残業代を支払って欲しい」といった用途も含めたほうが個人的には良さそうだと感じます。本当に辞めるだけなら、2週間前に会社に伝えて辞められますからね。
まとめ 退職代行を使うと良い人の条件
今回の話から、退職代行を使ったほうが良い方をまとめました。よっぽどのことがあれば利用する感覚のサービスですね。
- 離職にあたって会社とトラブルになっている(代理交渉人が欲しい)
- 有給未消化、残業代未払いなどが多くある(賃金回収をお願いしたい)
- 病気理由など即離職して辞めてしまいたい(病気理由で会社と話すのもしんどい)
こういった状態に置かれている方ですね。実際、上記のうち2つは退職代行を利用したAさんの悩み解決にもなっています。
辞め際で、対応がおかしくなる会社にお勤めの方限定で使われるといいですよ。
おすすめ退職代行サービス「ニコイチ」

「退職代行を実際に使うならどこがいい?」という方に向けて、ひとつご紹介しておきます。実はここだけの話、私の勤めている会社を辞めた男性はニコイチを利用されていました。
代行サービスも多く迷いがちですが、以下の3点さえ信用できれば、別にどこを使っても変わらない事実もあります。
①弁護士による適正指導を受けている
②サービス利用料は相場の範囲内である
③会社と穏便に話を進めるノウハウがある
これらの点で、ニコイチは他社よりも安心できるメリットがあると言えます。
弁護士の指導がないと、「非弁活動」といって代行サービスそのものが違反になるんですね。ニコイチは当然ながら、弁護士の指導が全面にあるのでこういったトラブルは起こりません。
また、退職代行の相場は、現状だとおおよそ29,800円。ニコイチなら27,000円と相場より3,000円ほど安いため、選ぶだけの十分な理由になります。
最後は完全に主観です(笑)私は会社を辞めた男性の代行スタッフさんとやり取りしたのですが(人事部として)、対応が丁寧でこれは揉め事になりにくいだろうなと確信したことです。とにかく穏便に済ませた腰の低さが印象的でした。
もし必要があれば、LINEで無料相談できるので、有給消化や失業保険なども含めて離職相談されてみるといいですよ。